歩道橋に立ってた青年はある決意を固めていた。

彼の名はマクガイヤー。彼は身を乗り出すとこう言った。

「さらばだ。」
マクガイヤーはそう言うと歩道橋から飛び降りた。

一方下ではサニーが歩いていた。サニーは落ちてきた青年を受け止めるが、彼はやけになっていた。
「俺マクガイヤーは生きていても意味がないんだ!」
「何かあったの?話なら聞くよ。」

落ち着きを取り戻したマクガイヤーは一部始終を明かした。

障害のある彼は障害者枠も考えたが、仕事も限られるうえ給料も少ない。しかし残業も殆どなく自分のペースに合わせられるとはいえ障害をオープンにしてる以上いじめのターゲットにされる可能性もあったので一般枠で応募の際に障害を打ち明けることも考えていた。しかし障害を理由に落とされる可能性もあったため最後の手段としてクローズ就労に踏み切ったという。仕事は順調だったが、ある日ひょんなことから障害がバレてしまい解雇はされなかったもののその日を境にいじめられるようになってしまったという。その結果彼は出社できなくなってしまい会社に戻ればまたいじめられる。しかし障害者枠では給料も少なくどの道いじめからは逃れられない可能性を考えた末に自殺に追い込まれたというのだ。

「それはとても辛かったのね。」
サニーはそう言いながらマクガイヤーを抱きしめると彼は涙目になった。理解者に会えたことが余程嬉しかったのだろう。

そんな時マクガイヤーの名を呼ぶ声がしたので目を向けるとマクガイヤーは怯えながらサニーの陰に隠れた。

「社長・・・」
そこには社長と同僚がいた。もう駄目だ、おしまいだ。そんなことが頭によぎるが、社長は予想外の言動に出た。

「俺は本当に悪いことしたと思った。利益に執着するあまり障害への理解を深められず結果的にこんな事態に追い込んでしまって、許してほしいとは言わぬ。これからは障害者との関わりを増やしていってもっと理解を深めていきたいと思ってる。」
「障害についてあまり知らなかったゆえに俺達は障害という言葉だけで酷い仕打ちしてしまった。でも障害に関係なく俺達は仲間だ!また一緒に仕事がしたい、戻ってきてくれ!!」

社長や同僚の言葉を信じたマクガイヤーは会社に戻り、社員との関係はより一層強固なものとなったようだ。

終わり

※現在日本では障害を理由に就労差別することは法律で禁じされています。

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